停電発生時に行うこと
停電発生時には、まず慌てないことです。
頭の中が真っ白にならないよう
落ち着いて自分の今の状況を確認しましょう。
夜間で真っ暗になってしまった場合は
備えの懐中電灯を点けましょう。
手元にスマホや携帯があれば
懐中電灯の代わりにすることも出来ます。
備えの懐中電灯を点けるまでの代用とお考えください。
スマホや携帯の電池は
出来るだけ温存しておきましょう。
停電発生直後の行動
停電箇所の確認
停電が発生したら、停電が起きている箇所の確認をしましょう。
地震や台風などの災害時のときの停電は
自宅の外側で発生している場合がほとんどだと思いますが
状況把握のため、確認をおすすめします。
基本的には、ブレーカーの確認と外の状況の確認になります。
上記のイメージですと、左から順に
・アンペアブレーカー
・漏電ブレーカー
・安全ブレーカー
になります。
このページでは上記の名前で説明をすすめます。
家の中の一部が停電している場合
安全ブレーカーを確認
安全ブレーカーのどれかが
「切」になっていることを確認します。
どこかの部屋で、電気を使い過ぎて許容電流を超えたり
器具の故障でショートが起きたりすると安全ブレーカーが作動して
電気供給を停止します。
対処方法
思い当たる電気器具の電源プラグを抜いて
安全ブレーカーのスイッチを「入」にすれば
停電は解消します。
安全ブレーカーのどれも「切」になっていないのに
停電している場合は、アンペアブレーカーを確認します。
安全ブレーカーのどれも「切」になっていない状態は
本来ありえません。
業者に依頼して点検・修理をしましょう。
家の中のすべてが停電している場合
アンペアブレーカーを確認
アンペアブレーカーが
「切」になっていることを確認します。
安全ブレーカーと同様
電気を使い過ぎて許容電流を超えたり
器具の故障でショートが起きたりすると
アンペアブレーカーが作動して
電気供給を停止します。
対処方法
安全ブレーカーのときと同様の対処を行い
アンペアブレーカーのスイッチを「入」にすれば
停電は解消します。
アンペアブレーカーも安全ブレーカーも
「切」になっていない場合は
漏電ブレーカーを確認します。
漏電ブレーカーを確認
漏電ブレーカーが
「切」になっていることを確認します。
漏電ブレーカーは漏電を防止するための装置です。
漏電ブレーカーが切れるときは
配線もしくは家電が漏電している可能性があります。
対処方法
配線や家電が漏電している場合の復旧手順は
アンペアブレーカーや安全ブレーカーとは大きく異なります。
漏電箇所を特定して、その部分を切り離す必要があります。
準備
・すべてのブレーカーを「切」にする。
(安全、アンペア、漏電)
・アンペアブレーカーを「入」にする。
・漏電ブレーカーを「入」にする。
特定
・ひとつずつ、ゆっくりと安全ブレーカーを「入」にしていく。
このとき、漏電ブレーカーが落ちたら
その安全ブレーカーの回路で漏電している。
・漏電している回路の安全ブレーカー以外を「入」にして復旧させる。
漏電は、早急な点検が必要です。
電気製品の故障や火事の原因になり大変に危険です。
業者に依頼して点検・修理をしましょう。
どのブレーカーも「切」になっていない場合は
家の外が停電している可能性があります。
家の外が停電している場合
家の外の様子を確認しましょう。
夜であれば、窓の明かりの有無で
一帯が停電していることがわかりますが
昼間の場合は、道路に設置されている
自動販売機の状態を確認する手もあります。
またネットが使える状態であれば
電力会社のホームページを確認する方法や
独自のスマホアプリを用意している場合もあるようです。
対処方法
停電から復旧したときの安全のため
早めにやるべきなのは、電気製品のプラグを抜くことです。
停電復旧後、家中の電気製品が一気に稼働すると
瞬間的に大きな負荷がかかる可能性があります。
また、点けたことを忘れている器具が
勝手に稼働してしまって
火事になったりする可能性があります。
発熱する家電や回転する家電などは
電源スイッチをOFFにして
電気製品のプラグを抜いておきましょう。
・発熱する家電
ドライヤー、暖房器具、電気ポット、アイロンなどの電熱器具・装置
・回転する家電
ハンドミキサー、電気ドリル、掃除機などの回転器具・装置
・電力が大きい家電
ホットプレート、電子レンジ、オーブンなど
・そのままで良い家電
冷蔵庫、エアコン
白熱灯の落下
電気コードの断線
電気機器の故障による発熱
電気機器の倒壊
停電復旧後の通電トラブル
停電が復旧するまでの注意点
外に避難する場合
家の外に避難する場合は、アンペアブレーカーを必ず「切」にしましょう。
特に、地震や水害で被災した場合は
停電復旧後、破損、転倒した家電に
通電(電気が通る)することで発生する
「通電火災」が多く報告されています。
携帯・スマホ
充電された電気を大切に使うために
節約するモードに切り替えましょう。
・スマホの画面の明るさを暗くする
・省電力モード、低電力モードを選択
・通信状況が悪い場合は、機内モードを選択
固定電話・光回線などを利用したIP電話は、停電状態では使えなくなります。
停電の備えとして、モバイル・バッテリーや
ソーラー充電器があると安心です。
冷蔵庫
冷蔵庫は開け締めを控えることで
2時間程、温度を保つと言われていますが
その後だんだん上昇します。
・冷蔵庫の開け閉めは控える
・常温の食材を追加で入れない
・冷凍食品や保冷剤で周囲を固める
停電が2時間以上続くとき
停電が2時間以上続くなら
腐りやすい生鮮食品は
食べてしまった方がいいでしょう。
(非常食よりも先に食べる)
停電時でも、一般的なガスコンロは使えるので火を通せます。
(但し、地震などでガスの使用が危険な場合を除く)
IHコンロやオール電化住宅では
停電時に加熱調理が全く出来ない為
カセットコンロなどを備えておくとよいでしょう。
停電が長引くと水漏れすることも
長時間の停電では、冷凍庫内の霜や食材が解けて
水が出るため、床が水浸しになる恐れがあります。
冷蔵庫からの水漏れに備えて
床にタオルや雑巾などを敷いておきましょう。
トイレ
停電のとき、トイレは使える場合と使えない場合があります。
停電が長引いてしまうと、トイレの管理も大きな問題になります。
自宅のトイレが停電時にどうなるか
事前に、確認しておきましょう。
風呂
停電のとき、ガス給湯器は使えない機種の方が多いようです。
自宅のガス給湯器が停電時にどうなるか
事前に、確認しておきましょう。
エコキュート/電気温水器は
断水していなければシャワー、蛇口、非常用取水栓から
タンク内のお湯が使えます。
温度が高い場合がありますので注意してください。
飲用ではなく、生活用水に使ってください。
もちろん、電気を一切使用しない方式で沸かす風呂には影響しません。
調理器具
ガスコンロは使えるものと使えないものがあります。
電気製品は使えなくなります。
蓄電池があっても消費電力が大きかったり規格が合わないと使えません。
予め確認しておきましょう。
ガスコンロ
・電池で着火するタイプのガスコンロは使えます
・電気で着火する機種は使えません。
電子レンジ
停電のときは、使えません。
100Vの蓄電池で利用する場合も消費電力が大きいため動作しない場合もあります。
IHクッキングヒーター
停電のときは、使えません。
蓄電池を利用すれば使えます。
(規格に注意)
冷暖房
停電のときは、エアコンが使えなくなります。
ファンヒーターなども使えなくなります。
冷房
夏の季節は冷房がないと熱中症になってしまう危険があります。
室内でやるべき熱中症対策をしましょう。
・こまめに水分と塩分を補給
(喉の渇きに関係なく意識的に水分・塩分を摂取しましょう)
・風通しの良い場所で過ごす
・通気性が良く吸湿性や速乾性のある服を着る
・保冷剤や氷、ぬらしたタオルなどで首周りや脇の下、足の付け根など
太い血管が通っている部分を冷やす
(熱中症予防や応急手当として効果的)
暖房
暖房が使えなくなった場合は、防寒対策が重要です。
風邪をひいたり、免疫力が低下したり
寒くて眠れないことによる睡眠不足になったり。
・保温効果の高い上着を着る
・毛布、カイロなどで体を温める
自宅から出て避難所などにいくときは
体育館など足元が冷える場所であることを想定しましょう。
・防災袋に防寒対策グッズを用意
・厚手の靴下やスリッパ、断熱シート
停電中のトラブル
停電すると、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
エレベーターに閉じ込められた
停電中にエレベーターに閉じ込められた場合
昇降路に転落する危険がありますので
ドアをこじ開けたり、天井を開けて脱出してはいけません。
ドアが自動で開くまで無理に降りようとしない
ドアが開いてたら充分に注意して降りてください。
多くの場合は無理に脱出しようとせず
救助を待つほうが安全です。
対処
・まずは待機
閉じ込め防止機能があれば
少し待つと最寄りの階への自動運転が始まる
・自動運転が始まらない場合は
「扉を開く」ボタン、すべての「行先階」ボタンを押して様子を見る
・それでも動かなければ
非常用インターホンを使用し、外部と連絡を取る
・携帯やスマホが使えるようなら自ら通報する
119, 110、エレベーター内に記載されている会社の電話番号
備えの確認
最近では災害時の備えとして
非常用収納ボックスが設置されている場合があります。
壁沿いやコーナーを確認してみましょう。
食料や水、簡易トイレなどが入っています。
救助を待つ
エレベーターは通気性があるので窒息の心配はありません。
長時間になることを考えて
床に座ったり寝転ぶなどして
体力を温存してじっと救助を待ちましょう。
信号機が消えていたら
停電している一帯の信号機も消えている場合があります。
信号機が消えていると事故が多発する恐れがありますので
道路を歩いたり、運転する場合は、細心の注意が必要です。
交通誘導する警察官がいる
警察官の誘導に従って通行しましょう。
交通誘導する警察官がいない
車は速度を落とし、必ず一時停止を行い
譲り合いながら通行しましょう。
人は充分に安全を確認して通行しましょう。
停電の原因と復旧まで時間の予測
停電したときは
一刻も早く電気が戻ってほしいと思うものです。
特に夜間の停電は
不安が何倍にもなってしまいますね。
ここでは停電の原因別に
復旧までの時間をまとめてみました。
災害の種類によって停電の原因を推測し
過去の事例と照らし合わせながら
復旧までの時間の予測をすることが出来ます。
(あくまでも推測と予測)
停電してから、復旧するまでの時間は
ほんの数秒のときもあれば、何ヶ月もかかることもあります。
東日本大震災のときは最大3ヶ月かかったと言われています。
停電の原因を知り、だいたいの予測を立てることが出来ます。
雷のときの停電
主な原因
・電柱や送電線などへの落雷した
・設備の破損や悪影響を防ぐための切り離し
復旧までの時間
比較的短い場合が多い
・設備の破損具合によるが、短い傾向があり
・送電できるルートの確保を遠隔で自動化できる
台風のときの停電
主な原因
・強風や豪雨と倒木、飛来物による送電設備の破損が停電
復旧までの時間
設備の被害状況によっては長期化
・多くの設備が破損した場合は長期化する可能性がある
・被害の範囲が広い場合、送電できるルートの確保が難しくなる
例えば、2018年の台風21号
・全面復旧までに1週間以上の期間
・関西エリアでは約225万戸(240万戸とも)の大規模停電
地震のときの停電
主な原因
・揺れや津波による送電設備の停止や破損
復旧までの時間
設備の被害状況によっては長期化
台風と同様です。
停電復旧時に行うこと
復旧してもすぐに電気製品を使用するのは危険な場合があります。
特に被災の度合いが大きかったり、停電が長引いたときは
段階的に注意しながら
切れた電線などがないことを確認
地震などで建物が崩壊したり破損の度合いが大きい場合
電線が切れたりする場合があります。
このようなときは業者等に連絡して
安全を確認するまで電気を使用しないようにしましょう。
ガス漏れのないことを確認
ガス漏れの恐れがある場合は、
電気を使ってはいけません。
このようなときは業者等に連絡して
安全を確認するまで電気を使用しないようにしましょう。
ブレーカーを入れる
ブレーカーを「切」にしていた場合は「入」にします。
このとき、もしもブレーカーが落ちるときは
漏電しているか電気製品に異常が起きている可能性があります。
原因を対処するまで、電気を使用してはいけません。
電気製品のプラグを抜いていない場合は抜いてから
ブレーカーを操作しましょう。
電気製品のプラグを入れる
電気製品のプラグを接続し、正常に動作するか確認しましょう。
但し、電気製品が水没していたり、濡れていたり、破損していたときは
危険なので、使わないようにしましょう。