大雪になる仕組みを理解して被害を抑えよう

大雪

大雪になる仕組みや前兆

このページでは
大雪になる仕組みと
大雪が原因で発生する恐れのある被害について
説明します。

大雪のときに発生する
様々な災害の避難と備えについては
こちらのページを御覧ください

大雪の発生状況

近年、雪の量が減っている感覚がありますが
一方で、大変な豪雪に襲われて
大きな被害を発生させる場合もあります。

平成の後半は豪雪の記録も多く
今後も同様に注意が必要です。

元号 通称
平成23年豪雪 北陸豪雪・山陰豪雪
平成24年豪雪 北海道豪雪
平成25年豪雪 東北豪雪
平成26年豪雪 (広い範囲で豪雪となる)
平成28年豪雪 西日本豪雪
平成30年豪雪 北陸豪雪・北海道豪雪
令和3年豪雪 東北日本海側豪雪・北陸豪雪・山陰豪雪

令和3年豪雪では
北陸地方では短時間に強い雪が降り
初めて「顕著な大雪に関する気象情報」が発表されました。

大雪になる仕組み

日本は温暖な気候ですが
世界でも有数の豪雪地帯でもあります。

日本海側では15道県に含まれる地域では
豪雪のために住民の生活に著しい支障を生ずる地域として
特別豪雪地帯に指定されています。

なぜ日本では大雪が降るのでしょう?

大陸からの北西季節風

日本の冬特有の
大陸からの冷たい北西季節風は
日本海を通って日本列島に来ます。

日本海の水温は、北西季節風よりも温かいため
季節風が日本列島にたどり着くまでの間に
たくさんの水分が蒸気となり風に乗ります。

この大量の水分を含んだ風は
やがて日本列島を構成する
高い山々にぶつかり上昇します。

ぶつかって上昇しながら大量の雪雲となり
日本海側の山間部や平野部で雪となります。

この雪雲は、北西季節風の状態により
山を乗り越えて太平洋側にまで流れ
太平洋側地域の一部でも
大雪を降らせたりすることもあります。

南岸低気圧

春先になると
冬型の気圧配置である西高東低の状態が崩れ
西から東へ通過する低気圧が多くなります。

このとき本州の南岸を進む低気圧を
南岸低気圧といいます。

この南岸低気圧は、太平洋側、特に関東地方の南部などに、
大雪や大雨を降らせる原因の1つとされています。

単純に東に進むだけではなく
北上・停滞したり、急発進・急発達などで
予報が外れ、大きな災害となることもあります。

なお、高さ1500m付近が-6℃以下、地上が3℃以下が
雪になる気温の目安です。

大雪の前兆

大雪の前兆を掴むためには
気象情報から得るのが一番確実です。

降雪や積雪により住家等の被害や交通障害など
大雪により重大な災害が発生するおそれがある場合は
大雪警報が発令されます。

他にも雪に関する注意報、警報があります。

なお大雪警報・注意報は
「一定時間に積もる雪の深さ」(=降雪の深さ)が
発表基準となっています。

また、大雪警報・注意報の発表基準は
地域によって大きく異なります。

例えば、警報基準となる降雪量ですが
札幌の山間部では12時間で50cmですが
東京都新宿区では12時間で10cmとなっています。

大雪の特徴や起こりうる被害

大雪の特徴

大雪になりやすい状態

大雪になる仕組みで述べたように
冬型の気圧配置の際は
日本海側で大雪になりやすいです。

また春先の南岸低気圧は
太平洋側に大雪を降らせることがあります。

雪はその場に積もる

雪が雨ともっとも異なる点は
雨は流れてしまいますが、
雪は降ったその場の地面に積もることです。

この積もった雪により
交通障害の発生や
雪の重みによる倒木や建物、電線の損壊など
様々な災害を引き起こします。

大雪による被害

被害の内容

停電

雪の重みで電線が切れて停電が発生することがあります。
太平洋側の湿った雪の重みが原因になることが多いです。

また、IP電話の場合
停電になると連絡がつかなくなり
まったくの孤立状態になってしまいます。

交通障害

大雪により、線路や道路の除雪作業が追いつかなくなり
交通機関の運休や道路の通行止めが発生して
交通障害が起きやすくなります。

また、スリップ事故や立ち往生などで
交通障害は長時間化することがあります。

普段は雪の降らない地方では
わずかな積雪のために交通障害が発生して
社会機能に大きな影響を及ぼすこともあります。

自動車の利用による事故

交通障害の内容と重複しますが
自動車のスリップによる事故が
発生する恐れがあります。

また立ち往生したときなどに
マフラーが雪でふさがれた結果
排気ガスが車内に流入して
一酸化炭素中毒を引き起こす恐れがあります。

吹雪の際は視界不良のための
事故が多発する恐れがあります。

家屋の倒壊

雪の重みで民家の屋根やカーポート、
ビニールハウスや商店街のアーケードなどで
倒壊の恐れがあります。

また雪下ろしをしようとして
屋根から転落したりする事故が発生します。

除雪作業中の事故

雪下ろし中の転落事故の他
屋根などからの落雪により
雪の直撃や雪に埋まったりする事故で
毎年多くの人が怪我をしたり亡くなっています。

また融雪槽に投雪中に
槽内に転落してしまう事故や
除雪機に巻き込まれる事故も
発生しています。

転倒事故

降り積もった雪やアイスバーンにより
滑りやすくなった表面で
人が転倒して怪我をしたりします。

以下のような場所は
滑りやすいと言われています。

・横断歩道の白線上
・車の出入り口(アイスバーン)
・バスやタクシー乗り場(アイスバーン)
・坂道

雪崩

山間部では雪崩が起きる危険があります。

雪崩は斜面に積もった大量の雪が崩れ落ちる現象で
特に急な斜面や木々がまばらな箇所は
発生の可能性が高くなります。

雪崩の発生する恐れがある箇所に近づく場合は
そのときの状況と雪崩の発生しやすい条件を考えて
細心注意を払い行動することが大切です。

なお、雪崩には
表層雪崩と全層雪崩があります。

雪崩の速度は極めて速く
衝撃の破壊力も相当な強さになります。

例えば、コンクリートの建築物も破壊し
人は乗用車やバスなども流されてしまいます。

表層雪崩

積もって固くなった古い雪の層の上に
新たに降った雪が積もった状態で
新しい雪の層だけが滑り落ちる雪崩です。

この形の雪崩では雪崩発生時
時速100km~200kmで雪が滑り落ちてきます。

全層雪崩

降り積もった雪の層と地面の間に
雪解け水が流れて雪の層全体が滑り落ちる雪崩です。

この形の雪崩では雪崩発生時
時速時速40km~80kmで雪が滑り落ちてきます。

土砂災害

春の雪解け水が大量に発生すると
川の増水による被害や土石流が発生したり
地中にしみこんで地すべりの引き金となる恐れがあります。

以上が、大雪になる起こる仕組みと
大雪が原因で発生する恐れのある被害の説明でした。

さて、これらの知識を前提にして
大雪のとき避難と備えについて
考えてみましょう。

次のページを御覧ください。

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