これだけは知っておきたい、火山活動からの避難と備え

火山

火山活動発生時の避難と復旧

このページでは
火山活動からの避難方法と備えについて
説明します。

火山活動が起こる仕組みと
火山活動が原因で発生する恐れのある被害については
こちらのページを御覧ください。

予兆

噴火の前には、火山性地震の増大が想定されていますが
一般的に体感出来るほどではなく
必ず噴火につながるわけでもありません。

反対に、火山性地震が見られず
何も観測されていなくても
突然、噴火する場合もあります。

このように火山活動の予兆を探るのは
なかなか難しいものがありますが
以下のような異常が発見されたら注意が必要です。

・地形の変化(隆起や沈降、地割れ、山崩れ)
・湖や川、湧水の変化(変色、濁り、臭い、水温上昇、魚介の死滅)
・噴気の変化や地震の頻発

避難

火山活動に対して避難する場合を説明します。

登山中に噴火してしまった場合
ただちに身を守る行動をしましょう。

異常を感じた場合でも
避難勧告・指示を待たずに
自主避難することも必要です。

避難の方向

火山活動で発生する恐れがある災害から
出来る限り逃れる方向に避難しましょう。
予め想定したルートがあれば従います。

基本的には
・火口から出来るだけ離れる
・火砕流や泥流に遭わないよう
 谷筋や窪地は避けて尾根を使う

頑丈な建物や大きな岩の陰に避難

火口から多少離れた場所にも噴石は飛んできます。
火山活動が落ち着くまでは避難しましょう。

・山小屋やシェルターなど頑丈な建物に避難
・近くにないときは、大きな岩の陰などに隠れる

持参している防具の着用

避難するときは周りの状況に注意しながら
持参している防具を身に着けましょう。

・噴石を避けるためのヘルメットを着用
・頭や身体をリュックサックなどで保護

火山ガスからの避難

火山ガスの臭いを感じたら
水で濡らしたタオルなどで口を覆い
風上や高台などに移動します。

風下を避けながら
予め調べておいた尾根のコースで下山しましょう。

噴火警報

テレビ、ラジオ、防災行政無線、広報車などで発表される
噴火警報を注意して聞きましょう。
避難勧告や指示があれば、従って速やかに行動します。

火山灰への対応

火山灰は少し積もっただけで
車の運転や線路の切り替えができなくなる恐れがあります。
また屋根に積もると木造家屋が倒壊する恐れもあります。

さらに火山灰の小さな粒は、吸い込むと肺にまで達し
呼吸に影響が出たり咳が出る等の健康障害を引き起こす恐れがあります。

なお、火山灰が降るのは早くても数分かかるので
慌てず対応しましょう。

火山灰が降る前に

灰の浸入を防ぐために備えておきましょう
・窓やシャッターを閉める
・ドアのすきまや通気口に湿ったタオルを置く
・窓にテープを貼る
・電化製品にカバーやラップフィルムをする

火山灰が降ったら

屋内に避難して健康被害を避けるため
火山灰を吸い込まないようにしましょう。
また、火山灰が吸気口から吸い込まれることで
電気製品やエンジンの誤作動や故障を招くことがあります。
・屋内に入る
・ガス湯沸かし器やエアコンなど外気にさらされる電化製品が使用しない
・自動車の運転を控える
・コンタクトよりもメガネ(角膜が傷つく恐れがある)
・防塵ゴーグルも有効
・防塵性能が高いマスクを装着
・濡れたタオルを鼻や口に当てる(マスクがない場合)

火山灰による健康被害の例
・鼻やのどの炎症、ぜんそく
・目の異物感・かゆみ・充血
・皮膚の痛み・腫れ
火山灰によるその他の被害
送電設備の故障による停電

火山灰は水を含むと電気を通しやすくなるため
漏電なども発生し送電設備が故障する恐れがあります。
その結果、停電を引き起こしたりするので
停電に対する備えも必要になります。

交通機関への影響

火山灰は車や交通機関や電子機器にも影響を与えます。

復旧

火山灰の対応

火山灰の掃除

掃除のときは、防塵マスクと長袖の服の着用しましょう。
コンタクトレンズを使用している人は眼鏡を使用しましょう。

火山灰の処理

火山灰の「重く水に溶けない」性質を理解して処理をしましょう。
・火山灰は水で固まるので水浸しにしない
・排水溝や雨水管に流すと詰まりや下水道を痛める原因になる。
・自治体ごとの処理方法を確認
・屋内へ入るときには、火山灰を持ち込まない
・車の運転は火山灰が巻き上げられるので避ける

火山活動に対する備え

火山活動の平常時の備え

登山時の備え

登るルートと避難場所の確認

登るルートを決める場合は
避難小屋や山小屋の有無を事前に確認しておきましょう

このとき「緊急時の避難ルート」も計画しておきましょう。
風下ではない尾根のコースが有効です。

山では、火山活動以外でも様々な災害が起こる恐れがあります。
事前に複数のルートも確認しておきましょう。

火山活動の履歴を調査

過去の火山活動や災害について調べておきましょう
最新の火山活動の状況をWebサイト確認しましょう

装備品の備え

装備品は身体や命を守ります。
特に火山灰は塵のように細く角も尖っており
身体を傷つける恐れがあります。

マスク

防塵能力が高いマスクを用意して
火山灰を吸い込まないようにしましょう
咳や喉の痛みの原因になる他
呼吸器疾患を悪化させる恐れがあります。

ゴーグル

防塵のためにゴーグルを備えると安心です。
火山灰は角膜を傷つける恐れがあります。

レインコート

火山灰は皮膚を傷つける恐れがあります。
火山灰から皮膚や洋服を守ることができます

ヘルメット

噴石から頭部を守ることが出来ます

タオル

マスクがないときにタオルを濡らして
鼻や口にあてると防塵や火山ガスを防ぐことが出来ます。

またドアの隙間や通気口などに湿ったタオルをおくと
灰の侵入を防ぐことができます、

ライト
火山ガス濃度の確認

火山ガス濃度を確認しましょう。
濃度が高い場合は山への立ち入りが制限されます。

登山計画書(登山届)の提出

登山届制度が導入されている火山については
必ず登山計画書(登山届)を提出しましょう。

登山計画書(登山届)が提出されていないと
万が一の緊急捜索活動が円滑に進みません。

登山計画書(登山届)の提出方法

以下のような方法があります。
・「登山ポスト」に提出
 登山口の近くにある「登山ポスト」に提出
 その場で書かず、入山前にあらかじめ書いておきましょう。
・事前にFAXや郵送で提出
 登山山域の都道府県警察本部地域課
 または山域を所管する警察署・交番・駐在所に提出
・メール(インターネット)で提出
 警察署によっては、メールやインターネット上から提出できる場合があります。
・日本山岳ガイド協会「Compass(コンパス)」
 オンラインで登山計画書を作成し、提出することができます

火山ハザードマップ

過去の火山活動からの予測により
噴石や火砕流などの災害がどの範囲まで及ぶか
地図で示したものが火山ハザードマップです。
あらかじめハザードマップで、危険な区域を確認しておきましょう。

噴火警報・予報の入手

気象庁では、観測・監視・評価の結果に基づき
噴火警報・予報を発表しています。
噴火に伴って、生命に危険を及ぼす火山現象の発生が予想される場合や
その危険が及ぶ範囲の拡大が予想される場合に
警戒が必要な範囲(生命に危険を及ぼす範囲)を明示して発表します。
噴火警戒レベルを運用している火山では、噴火警戒レベルを付して発表します。

噴火警戒レベル

活火山について、噴火警戒レベルを気象庁が発表しています。
登山者、防災機関、住民が取るべき行動を
5段階のキーワードで設定したものです。
・避難、避難準備、入山規制、火口周辺規制、活火山であることに留意
キーワードごとに規模や火山の状況、住民や登山者の行動・対応を知ることが出来ます。

こうした情報に敏感になることが大切です。

降灰の備え

火山灰が降り続くと、長く外出出来なくなる可能性があります。
事前に飲用水や保存食を準備しておきましょう。
・飲用水(1人あたり1日約3リットル)
・家族とペット用の保存食(最低3日分)

以上が、火山活動からの避難と備えについてでした。

火山活動が起こる仕組みと
火山活動が原因で発生する恐れのある被害については
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